ギザにある最大のピラミッドを造営したクフ王の父、スネフェル王のピラミッド3基がダハシュールという砂漠の中にあります。
もっとも有名なのが写真の『屈折ピラミッド』。地面とのなす角度が中ほどから変わっているためにこのように名づけられているものです。2019年、54年ぶりに内部が公開されました。狭く、天井までの高さが低い通路を70m下って行くところが難関。その後は階段を次々と昇っていきます。玄室の中には何もないですが、ピラミッドの重量を分散させるための“持ち送り構造”というのが見られます。クフ王に大きさでは敵いませんが、玄室へ侵入する難易度では上。
2つ目はこのピラミッドのすぐ横にあり衛星ピラミッドと呼ばれている小さなピラミッド。ミニチュア版です。
3つ目は赤っぽい岩石が使われている『赤のピラミッド』。各面が二等辺三角形ををした世界最初の真正ピラミッドです。これも内部を見るためには急で長い通路の上り下りがあり、見学を終えて通路を上がってくるときにはヘトヘトになります。
いずれもスネフェル王が造営したこれらのピラミッドは、見栄えも今一つ、保存状態も今一つですが、4500年以上も前にピラミッド造営を試み、真正ピラミッド造営に至った道筋が垣間見え、改めて凄いと思わされる遺跡です。